2019年10月10日
生産性向上、働き方改革、テクノロジー、付加価値、サービス業
こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
先日、ロイヤルホールディングス株式会社の代表取締役会長・菊地唯夫氏の講演を聴講する機会がありました。
テーマは、「人口減少社会における外食産業の持続的成長」です。
その中で、私が最も印象に残った言葉があります。
それは、「生産性」です。
人口が増加していた時代は、画一的なサービスを効率よく提供し、多店舗展開によって成長するチェーンモデルが有効でした。
しかし、人口減少と人手不足が進むこれからの時代は、これまでと同じ考え方では持続的な成長は難しい。
そのような問題意識から、ロイヤルホールディングスでは、生産性向上を経営の重要テーマとして取り組んでいるそうです。
講演では、生産性を「売上総利益(粗利益)÷従業員数」と定義し、その向上には三つの取り組みが必要だと説明されました。
一つ目は、商品やサービスの付加価値を高めること。
二つ目は、新しい市場を開拓すること。
そして三つ目が、効率性を高めることです。
ただし、ここで興味深かったのは、「効率化だけを追求すると付加価値が下がることがある」という指摘でした。
人件費を削減した結果、お客様へのサービス品質まで低下してしまっては、本来の目的を見失ってしまいます。
そこでロイヤルホールディングスでは、テクノロジーを活用して、人が行う必要のない仕事を減らし、その分、人にしかできない仕事へ時間を振り向ける取り組みを進めているそうです。
例えば、掃除ロボットの導入や、レジ締め業務の自動化です。
これらは単なる省力化ではありません。
従業員が、お客様とのコミュニケーションやサービス品質の向上といった、より付加価値の高い仕事へ集中するための取り組みなのです。
また、講演では、日本のサービス産業が抱える課題についても触れられました。それは、日本では、商品にはお金を払っても、サービスには十分な対価が支払われにくい傾向があるということ。
そのような環境の中でも、付加価値を高め、生産性を向上させながら、顧客、従業員、株主など、すべてのステークホルダーの満足度を高めようとしている姿勢が印象的でした。
私は、この講演を通じて、生産性とは単なる効率化ではないことを改めて感じました。
本当に重要なのは、人がやらなくてもよい仕事をテクノロジーに任せ、人にしかできない仕事へ時間と力を振り向けることです。
つまり、生産性向上とは、人を減らすことではなく、人が生み出す付加価値を高めることなのです。
人口減少が進むこれからの時代、中小企業にとっても、この考え方はますます重要になっていくのではないでしょうか。