こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
前回のNo.1「英語の先生から教わった!courtesan(高級娼婦)はなぜ高くても集客できるのか?」はいかがでしたか?
あの話は“ふざけた切り口”のようでいて、実は集客の本質を突いた内容でした。そして今回は、その“courtesan型ブランディング”を実際にやっている診療所の話です。
テーマは、
なぜ「とある診療所」には朝8時に100人もの患者がやって来るのか?
■ 毎朝100人越え!? とんでもない診療所がある
実は、私の身近な人が通っている“ある診療所”があるのですが――
その集客ぶりが、とにかくすごいんです。
場所や名前は差し控えますが、朝8時に行っても100人くらいが待機しているという人気ぶり。
しかも、それが毎日なんです。
冬のインフルエンザ流行期…ではありません。年中そういう感じなのです。
診療開始は8時半。でも、私が以前付き添いで行った際、7時半に到着してすでに40番目。
8時までの間に送迎バスが2便到着し、あっという間に100人近くが押し寄せてきました。
診察の前に1階で受付を済ませ、2階の待合室に誘導されたのですが、8時すぎにはすでに満席。立ち見状態でした。
しかも、それだけじゃありません。患者の中には、
という方もいるほど。
そこまでしても診てもらいたい先生が、そこにいるのです。
■ なぜ大人気なのか? そのカギは“高級娼婦モデル”では?
結論を先に言ってしまいます。
この診療所が行っているのは、前回紹介したcourtesan(高級娼婦)型のブランディングとかなり似ているということ。
つまり、
この診療所も、そうした状態を上手につくり出していたのです。
■ 一般的な医師とは違う、「商売がうまい医者」
よくいる職人気質や研究者タイプの医師とは違って、この診療所の院長はブランディングがとても上手い人だと思います。
言い換えれば、「とても商売がうまい医者」なのです。
では、そのブランディングがどうやって仕掛けられていたのでしょうか?
私は大きく4つのポイントに注目しました。
〇ポイント①:書籍の出版
まず、その先生は本を何冊も出していました。
待合室には先生の著書がずらっと並び、なんとエレベーターの中にも書籍広告のポスターが貼ってある(笑)。また、その診療所のスタッフが患者に本を勧めてくるわけです。
結果して、患者にとっては、「この人、出版してる専門家なんだ!」と印象づけられます。
出版実績=専門性・信頼性の演出となるわけです。テレビ出演と同じですが、出版することで専門家を演じることができるわけです。
〇ポイント②:ネット対策
次に、ネットで検索するとすぐ出てくる。
SEO対策もかなりしっかりしているようで、おそらく専門の業者に任せていると思われます。
つまり、「探している人の目に、ちゃんと入る仕組み」ができているんですね。
〇ポイント③:有名人の活用
そして極めつけはこれ。
なんと待機スペースの壁に、元首相とのツーショット写真+推薦コメント付きポスターが貼られているんです。
このインパクトはすごいです。
「権威性」と「信頼性」の二重演出です。
一般人の口コミならヤラセ(サクラ)も疑われます。投資や株式講座など、ネット上には有名人の写真を勝手に拝借して宣伝している人もいますが、首相経験者が推薦しているポスターについては、さすがに誰も疑わないでしょう。
〇ポイント④:あえて“傲慢”にふるまう
これはちょっと驚いたのですが――
この院長、かなり高圧的です。
そんな感じで、謙遜ゼロ。むしろ突き放すような発言をするそうです。
でも、それが効くんです。
患者側としては、
と、信じるようになります。
この演出が、信頼と希少性を高めているんですね。
■ 診療所選びの“探し方”に仕掛けを置いている
普通、診療所を探す時は、
…といった流れが多いかと思います。
でも、「近所の先生じゃ不安だ」「もっと良い医者に診てもらいたい」と思った時、人はさらに情報を探すことになるでしょう。
そして、そんな“探している動線”の途中に、この院長の情報がちゃんと出てくる仕組みがあるわけです。
つまり、「探している人の目に自然に入るような仕掛け」が整っているということ。
■ カフェも“教育の場”として活用
ちなみに、その診療所にはカフェまで併設されています。最初は「患者が時間を潰す場所かな?」と思ったのですが、よく見ると、本棚に書籍やパンフレットがずらり。
つまり、ただの“待合場所”ではなく、“教育・育成の場”として使われていたのです。
いや~、PRが上手ですね。
私は中小企業の支援の一環としてPRやブランディングの指導もしていますが、ここまで計算され尽くした仕掛けは、なかなか見ません。たぶん、腕のいいコンサルタントが入っていると思います。
■ まとめ:「集客の鍵は、探し出してもらうこと」
この診療所がやっているのは、まさにcourtesan型の集客です。
•本を書いて専門性を示す
•ネットで探しやすくする
•有名人を活用して信頼性を上げる
•傲慢にふるまって希少性を演出する
そして、自分から営業しない。患者の方から「探し出す」しかない状況を、あえてつくっているのです。
このようにして、患者は「ぜひ診てもらいたい!」とやってくる。高級娼婦モデルの完全再現ともいえるブランディング戦略です。
次回は、また少し違う角度から「人を動かす仕掛け」をご紹介していきます。
どうぞ、お楽しみに。
【追伸】
「戦略プロセス経営実践会」では、単なるノウハウ提供ではなく、経営の“もやもや”を整理し、“動く仕組み”に変える支援を行っています。
「うちも似たように仕掛けてみたい…」と感じた方は、当会の支援スタイルが参考になるかもしれません。興味のある方は、以下のページもご覧ください。
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