戦略とプロセスを明確化した事業デザイン
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!

戦略プロセス経営実践会

まずは小さな成功パターンから!

こんにちは。

戦略プロセス経営実践会の関口です。

今回のタイトルは、

「高額塾のセミナー:お見事な受注獲得の手口とは?」

 

■ スマホ時代の到来と、高額塾の台頭

私は「戦略とプロセスのデザイン屋さん」として、中小企業の支援を行っていますが、売上1億円未満の個人事業主や零細事業者向けのサービスについても、日々よくチェックしています。

日本でスマホが登場した2008年頃と比べると、今ではオンライン教材が増え、SNSを通じた人との結びつきもどんどん拡大しています。

こうした環境の変化とともに成長してきたのが、高額塾や会員制ビジネスです。今回は、その中でも「高額塾」にフォーカスして、ある人物の受注獲得の“手口”を見ていきます。

 

■ 「高額塾」とは名乗らない、“高額塾”

「高額塾って、あまり聞いたことがないな」という方もいるかもしれません。それもそのはず。わざわざ「高額」と名乗るバカな人はいませんから。

「●●塾」「○○会」「ワークショップ」や「グループコンサルティング」など、それっぽい名前で案内されます。でも、やっていることは一般的な研修会と変わらず、違うのは“料金”です。

しかも、驚くような価格設定でも、「これはお得だ!」と思わせる見せ方をしているのが特徴です。

 

■ 1日10万円超の料金でも、“お得”に見せる

例えば、1,500円のビジネス書に書いてあるような内容を、2日間で40万円以上のセミナーとして売っているケースもあります。

それが個別指導ならまだしも、20〜50人以上が参加する“その他大勢”の中の一人として参加するだけ。しかも基本は受け身で聴くだけ。話す機会なんて非常に限定的です。

オンラインで参加する場合は、パソコンの画面を見ているだけ。そんな内容でも、1日あたりの料金が10万円を超えるセミナーが成立しているのです。

 

■ ネットを駆使した“関係構築”から始まる

高額塾の集客方法の中心は、ネット活用です。かつてはYahoo!やGoogle広告だけだったものが、今ではFacebook、LINE、YouTube、Instagramなどツールは多岐に渡ります。ステップメールやYouTube、FBのグループなどを駆使し、じわじわと関係構築していきます。

そして、「○○塾説明会」や「○○セミナー」などと称して、参加者を説明会へと誘導します。

 

■ でも、「初回から3万円」ではうまくいかない

ちょっと余談ですが、私の経験上、見込み客との関係がまだできていない段階で、いきなり「3万円」のセミナーを案内してもうまくいきません。

いくら(経済的に余裕のある)社長向けだとしても、信頼関係のないところに高値は響きません。反対に、しっかりと信頼を築いたあとなら、3万円でも集まります。

値付けは“関係性”に大きく影響されるのです。

 

■ 「満足度の高いセミナー」が売上に繋がらないワケ

さて、ここからが本題です。

説明会やセミナーの場面において、“上手い人”と“下手な人”の決定的な違いがあります。

下手な人は、とても真面目なんです。参加者のために一生懸命ノウハウを伝えようとします。「あれもこれも」と情報を盛り込むのです。だから、開催後に実施するアンケートには「満足した!」の声が並ぶはずです。

でも、肝心の「申し込み」にはつながらない。なぜなら、“満足”と“申込”は別物だからです。

 

■ 上手い人は“その気にさせる”芝居がさすが

一方、上手い人は違います。

ここから、ある人物のやり方を紹介します。

その人の場合、まずセミナーに3,000円前後の手頃な価格で誘導します。

そしてセミナー当日、最初の段階では高額塾の存在(高額講座を売り込むこと)をまったく知らせないのです。しかも、肝心なノウハウは“チョロッと”しか出さず、代わりに見せてくるのが――芝居です。顧客の声や体験談です。

 

■ “顧客役の協力者”が登場する

芝居とは、例えば「顧客役」の仲間の存在です。

周囲の人が「スゴイ!」と連呼することで、主催者をカリスマに仕立て上げていくのです。というかその気にさせられてしまうのです。

  • 「月商30万円だった僕が、4ヶ月後には月商500万円に!」
  • 「売上3倍に!○○さんのおかげです!」

こんな感じで、仲間の協力を得て、“すごさのアピール”を顧客の声として提供してもらうのです。

実際、こうした演出は、他のセミナーでもよく見られます。

 

■ 全ては“申し込みさせるための筋書き”

そしてセミナーも中盤を過ぎた頃、参加者が「そろそろ欲しくなってきたかな?」「その気になってきたかな?」と思ったタイミングを見計らって、ようやく高額塾の案内が始まるのです。

内容がどうであれ、参加者にとっては、その時点でその気になっているのでもう魅力的に見えてしまうのです。

これはもう、恋愛と同じ。「好きになったら何でもよく見える」理論です。

 

■ 値付けの演出:最初は高く、最終的には“お得”に

価格の提示についても、非常の上手いのです。

まず、例えば128万円と提示します。しかし、「今週は特別キャンペーン中なので108万円で・・・」と案内します。そして、30秒の沈黙。しばらく考えたフリをし、「本日だけ特別に、会場内でお申し込みの方限定ですが88万円で申し込めるようにします」と宣伝するのです。

私が観察した時は、それまで居眠りをしていた会場後方にいたスタッフが突然立ち上がり、申込書を配り出していました。実は、これも“パフォーマンス”であり「演出の一つ」だったんです。

申込書の価格欄には「料金128万円」と記されていました。ところが、カリスマ役の人物が、「では、128万円に大きく×を付けて、88万円と書いてください」と、参加者自身に記入させていたのです。

この“手書き”こそが、巧みに仕掛けられた演出だと後から気づきました。準備万端なのです。128万円に×を付け、88万円と記入させるためにペンまで用意されていたのです。この“手書き”という行為がお得感を刺激する役割を果たしていたはずです。

 

■ 比較も相談も、させない

さて、他にそのセミナー会場で申込ませるために何が行われているのでしょうか?

それは“考えさせない・比較させない・相談させない”ということです。

「今すぐ申し込みたい!」と思わせて、5分以内に決断させてしまう。今すぐ申込書に書かせてしまう。それが「その人物」の手口だったようです。

なぜなら、参加者が会場から出てしまったら、もう申し込みをもらえる保証はありません。だから、出てしまう前に、申込書を回収しようとしていたのです。

 

■ 翌朝の後悔。でも、もう遅い

セミナーの参加者の中には、翌朝、目覚めて冷静になってふと思ったかもしれません。

「あれ、冷静に考えたら…昨日のセミナーはやたら高すぎないか?」

でも、もう申込んでしまった。クーリングオフ制度もありますが、知らない人も多く、「まあ、せっかくだしやってみようか」となってしまうのです。

私もかつて申し込んでしまって後悔したことがあります。だから、その時の感情の流れがよくわかるのです。

 

■ 主催者側の立場に立つと…驚く利益構造

ここで少し立場を変えてみましょう。

主催者側からすれば――

30人集めて、1人から10万円/日。1日あたり300万円の売上となります。

高額塾とは言えない40万円の安いコースでも50人も集めれば、なんと2,000万円もの売上になります。

今ではオンライン開催も可能なので、人によっては一度に100人、200人以上も集めます。1人当たり1日の単価10万円なので、100人集めれば1日で1,000万円の売上となります。

もちろん、集客にコストが掛かっていますが、すごい世界だと思いませんか?

 

■ 国の支援制度との“価格差”に驚く

ちなみに、公的支援機関に専門家として登録し、その制度を利用して企業に出向いた場合、1日に獲得できる金額はぜいぜい2~3万円です。訪問前の準備に10時間かけようが、謝金は変わりません。

この価格差――同じ“コンサル”という名のもとで、ここまで違うのです。

 

■ まとめ:さすがな集客方法(マーケティング)です

これが、ある人物が高額塾のセミナーで実際に行っていた「受注獲得の手口」です。

見せ方、空気づくり、導線、演出、心理操作――

全部ひっくるめて、“仕掛け”が成り立っている。まさにショービジネス。

さすがな集客方法(マーケティング)なのです。

【追伸】

「戦略プロセス経営実践会」では、単なるノウハウ提供ではなく、経営の“もやもや”を整理し、“動く仕組み”に変える支援を行っています。
「うちも似たように仕掛けてみたい…」と感じた方は、当会の支援スタイルが参考になるかもしれません。興味のある方は、以下のページもご覧ください。

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