戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営と戦略を考える003】
2025年 6月22日(日)
ウェブサイトを作成し、SNSでも情報発信している。実績も積んでいる。それなのに、なぜ事業が思うように伸びないのか? なぜ注目されないのか?
こんにちは、関口です。
税理士や社労士など士業やコンサルタントとして活動していると、そんな壁にぶつかることは珍しくないはずです。
実は、売上や収入といった「金融資本」に直結するのはスキルの高さのような「人的資本」ではなく、「社会資本(評判・信用・ネットワーク)」である──そんな多くの人が気付いていないと思われる本質を改めて教えてくれたのが、山口周さんの著書『人生の経営戦略』です。
本書については、前回のコラム『生成AI時代に士業はどう選ばれる?~税理士・社労士事務所のための戦略的ポジショニング~』でも紹介しましたが、キャリア論というより「人生そのものをプロジェクトとして捉え、戦略的に生きる」という視点を提示しています。
税理士や社労士などの士業、それにコンサルタント業の経営者にも非常に役立つ内容なのです。
そこで今回は、この本から学んだ重要な視点をもとに「事業所の事業戦略」をどう見直すべきか、考えてみましょう。
『人生の経営戦略』の中で特に重要な視点は、「私たちがコントロールできる戦略変数は、時間資本しかない」という考え方です。
自分の時間資本を、良質な経験を得られる「スジの良い仕事」に投下することで人的資本(知識・経験・スキル)が得られるとのこと。ですので、私たちは「何に自分の時間を投下するか」を選ぶことこそが、人生やビジネスを変えていくカギになるのです。
続いて、時間資本を上手に使うことで得られた「人的資本(知識・経験・スキル)」が高い水準のアウトプットやパフォーマンスを生み出すことになり、結果として「あの人に仕事を頼みたい」「あの事務所なら間違いない」といった社会資本(評判、信用、ネットワーク)を生み出すということです。
士業やコンサルタントは、クライアント対応や事務作業など、「常に時間に追われる」傾向が強い職種でもあります。
だからこそ、「目先の雑務に追われるだけではなく、どうしたら自分の社会資本を高めることができるのか?」と問い直し、意識的に時間の使い方を見直す必要があるのではないでしょうか。
ついつい、「忙しさ」や「目先の売上」に流されがちですが、どこに時間資本を投資するかを意識して変えれば、数カ月後、数年後の事業は大きく変わってくるはずです。
では、どのような時間の使い方が成果につながるのでしょうか?
先に説明した通り、本書が明快に示しているのは、金融資本(収入)は社会資本から生まれるということです。
学歴や資格の有無ということよりも、むしろ「あの人に仕事を頼みたい」「あの先生なら安心」と思ってもらえる信用・評判・ネットワークといった社会資本が、収入(金融資本)を生み出す土台になっているのです。
実際、人気の士業・コンサルタントを見ていると、専門性の高さ以上に「この人、スゴイ!」「自分もこの人に依頼したい」と思わせる発信力や演出力が際立っているケースが多いものです。
「もっと上級の資格を取らなきゃ」「もっと専門知識を深めなきゃ」などと内向きに努力するだけではダメ。「誰に、どう見られているか」を意識し、意図的に社会資本を高める行動が求められるということです。
もう一つ、士業やコンサルタントにとって重要な視点があります。
それは、「自分の人生というプロジェクト」において、本当に大事なものを見失わないことです。
つい「世間の成功イメージ」──例えば、経営者の場合は、売上規模、社員数などに影響されてしまいがちですが、それは他人の尺度にすぎません。
本当に自分にとって意味があるのは、「誰のために、どんな貢献がしたいのか」「どんな仕事にやりがいを感じるのか」という、内側から湧き出る価値観の方なのです。
『人生の経営戦略』でも、著者の山口周さんは「他人を羨ましがらせる成功」ではなく「自分が心から望む生き方」を選ぶべきだと繰り返し述べています。
士業やコンサルタントは、自由度の高い働き方だからこそ、自己定義がぶれやすい職種かもしれません。
だからこそ、「何を大切にしたいのか」を見失わず、自分に合った事業戦略を構築していきたいものです。
事例から学ぶ集客の知恵
本当に集客につながるのは、現場での“ちょっとした工夫”でした。
事例に学ぶ12のアイデア、無料で公開中です。
いくら努力しても、それが「見えるもの」になっていなければ評価は得られません。
逆に、意識的に「見せ方」を整えれば、結果につながっていきます。
その意味で、士業・コンサルタントとして成長していくには、「時間資本」と「社会資本」を意識した行動設計が不可欠です。
そして何より、「自分はどんな人生を送りたいのか」「どんな事業をつくりたいのか」という人生の経営戦略の視点を持つこと。
その「人生の経営戦略」こそが、ビジネスの飛躍に直結しているのです。
★ 事例から学ぶ集客の知恵
★ 特別レポート001
★ 特別レポート002
★ オンライン相談・診断