【新 特別レポート】は20のパート(ページ)で構成されています。
まず、前者の「立ち上げ時のつまずき」について説明します。経営コンサルタントとして独立・起業し、事業を立ち上げた直後は、やる気があり、一定以上の金の準備がある人が多いかと思います。だから、すぐにうまくいかなくても簡単に諦めてしまうことは少ないのです。
しかし、立ち上げてから1年経ってもコンサルティング案件の獲得どころか、問い合わせが1件もなかったりします。しかも、2年、3年と時間が経過しても同じ状態だったりするのです。丸3年が過ぎたのに、最初の1件目の契約すら取れないと、さすがに「もうダメだ」と諦めてしまう人が多いようです。
したがって、コンサルタントとしての事業立ち上げから間もない時期に諦める人は少ないのですが、立ち上げてから3~4年後に諦める人が多いです。
では、なぜ、立ち上げてから3~4年後に諦める(つまずいてしまう)ことになるのでしょうか?
理由は大きく3つあると私は考えています。
1つ目は、コンサルタントとしての「理想の姿」とそこへ到達するための戦略などが曖昧なことです。とりあえず仕事があると、戦略などがが曖昧なままでも特に困らないのです。曖昧なまま時間の経過とともに軸がブレ始めて「迷える子羊」になってしまうケースが多いのです。また、曖昧なためか、初めはやる気があっても、そのうちに「ああした方が良い」「こうした方が良い」などとさまざまな情報が入ってきて、振り回され、ブレ始めてしまうことが多々あります。
2つ目は、商売の経験がないまま起業し、集客に不慣れなため失敗続きになるからです。サラリーマンとして仕事をしていた時は、会社組織の一員であり、仕事が初めからあったわけです。あらかじめ仕事が用意されていたのです。会社の「看板」にぶら下がって仕事をしていたにすぎないのです。しかし、独立・起業後は、金を払ってくれる人(顧客)を自らの力で見つけ出さなければなりません。そういうことに慣れていないと、失敗続き(集客できないまま)になってしまいます。
3つ目は、サラリーマンだった人が独立・起業後に、いきなり「自分の企画」だけで稼ごうとするからです。先のパートにて「他人の企画」と「自分の企画」について述べましたが、「自分の企画」については集客面で苦労する人が圧倒的に多いのです。
コンサルティングは、目に見えない無形のサービスを提供するので、価値を伝えることが意外と難しいです。それにも関わらず、いきなり「自分の企画」だけでなんとかしようとするから失敗してしまう(集客できない)のです。
以上、「立ち上げ時のつまずき」について説明しましたが、「立ち上げ時」と言っても立ち上げ直後ではなく、3~4年目に諦めてしまう人が多いことはお伝えした通りです。
次に後者の「自分の企画への転換でのつまずき」について説明します。
コンサルタントとして活動している中には「独立している人」と言っても、「他人の企画」に便乗した仕事だけに従事して生計を立てている人が多いのが現実です。
例えば、月曜・水曜・金曜日は、地元のよろず支援拠点でコーディネーターとして、残りの火曜・木曜日は何とか支援センター(例:創業支援センター)で相談員を務めているかもしれません。
あるいは、所属の団体(例:中小企業診断士協会)から、受身のままでも案件を回してもらえることが多々あります。
このような人の中には、「自分の企画」で稼いでみたいと思い始めることが少なくないようです。「自力で民間案件を取りたい」と考え始めるのです。なぜなら「俺の謝金は1日に2.5万円だが、これでは年収どころか売上さえ1,000万円に届かない!」などと少し不満に思っていたところ、「年収3,000万円!」「1億円プレイヤー」「億り人」などの情報に刺激され、「俺も稼ぎたい!」「俺はもっと稼げるはずだ!」などと思い始め、欲が大きくなるからです。そこで「自分の企画」で高値の案件を獲得しようと動き出すのですが、それがうまくいかないのです。
なぜでしょうか?
さまざまな要因があるのですが、最大の問題は仕事の獲得に関して、「他人の企画」と「自分の企画」の違いを理解していないから、と私は考えています。繰り返しますが、「他人の企画」と「自分の企画」における仕事の獲得方法の違いを理解していないということです。
例えば、よく目にする中小企業診断士のケースを検討してみます。中小企業診断士の中には、著書『40代以降に経営コンサルタントとして独立する: 「自分という商品」を売る起業家の集客と生き残り戦略 Kindle版』にて説明した「公的機関常駐・依存型」や「補助・助成金依存型」で働いている人が大勢います。
先に説明したよろず支援拠点や創業支援センターなどの仕事に就く際は、「中小企業診断士の資格があります」というプロフィールを明示するだけで仕事が取れることが多いのです。もちろん資格があれば採用されるわけではありませんが、他の一般の応募者よりも中小企業診断士の有資格者の方が採用面接で有利になるというか、優遇されるポジションなのです。
ただ、私がお伝えしたいことはこのようなことではなく、「専門分野の抽象度が高くても問題なかった」ということです。つまり、採用面接の際に、「中小企業診断士」という資格や、マーケティング、財務、物流などという抽象度の高い専門分野を示すだけでも良かったのです。「採用」になったのです。
一方、「自分の企画」では「〇〇の資格があります」「これもできます、あれもできます」というアプローチでは、ひとり社長の経営コンサルタントとして集客することが難しくなります。「なんでも屋」のような売り出し方は、一部の例外を除くと見つけてもらいにくい存在となるからです。一部の例外とは「地域密着型」や「コミュニティ型」などが該当します。説明が長くなるので、その理由は省略します。
では、「自分の企画」ではどうすれば良いのでしょうか?
それを知るためにも、前提条件として、仕事の獲得に関する「他人の企画」と「自分の企画」の違いを理解する必要があると考えています。
ちょっとここで、多くの人が理解していないと思われる重要なことをお伝えします。それは、「他人の企画」では「仕事を獲得する」という表現が相応しいのですが、「自分の企画」では「集客する」という表現になるということです。「仕事を獲得する」と「集客する」の違いです。これには大きな違いがあります。
もう少しわかりやすく説明しましょう。「他人の企画」の仕事では自ら「集客する」必要がないのです。集客に協力する、あるいは、集客の担当者になることはあっても、自分の力だけで集客する必要はありません。他人が用意してくれた企画に便乗するために「それに相応しい人物である」ことを示すことの方が重要です。
ところが、「自分の企画」においては「仕事を獲得する」という表現では違和感が生じます。なぜなら、あらかじめ仕事が用意されているわけではなく、自らの力で需要を喚起するような取り組みが必要になるからです。需要を喚起するような取り組みを通じて集客することができなければ、残念ながら「仕事が取れない」のです。
そこで、ひとり社長の経営コンサルタントとして自身を売り出すための工夫が必要となります。これにはマーケティング力が求められます。
経営者が「困ったな…」「○○を解決したいな」などと感じ、社内外に協力を求めることはあります。その時に、多数ある選択肢の中から選んでもらうためには工夫や差別化が必要です。そして、多数の中に埋もれることなく、(見知らぬ相手からも)選んでもらわなければなりません。
可能な限り、「この専門分野(テーマ)については、ぜひ、●●先生にお願いしたい!」。そう言われる存在になり、選ばれる必要があるのです。
「パート4」はいかがでしたか?
入門編は、どれも短いパートばかりです。次の「パート5」が入門編の最後となります。「パート6」以降は中級編→中上級編→上級編と、まだまだ続きます。しかも情報量が多くなります。
これまで何度も繰り返した通り、このレポートの目的は、あなたに「区別する力」を身に付けていただくことです。より高い視座で自分自身について見つめ直してもらいたいのです。
残念ながら「こうすればうまくいく」という方法(打ち出の小槌)はありません。ご自身のキャリアを棚卸し、どういう顧客層をターゲットに、どう売り出すべきかを明確にすることが重要です。
公的機関が提供する安価なサービス、ランサーズのようなクラウドソーシング、それにビザスクのようなスポットコンサルなど、経営者には今、多数の選択肢があります。人ではなくAIの活用もあります。そんな中、ご自身をどう売り出し、どう関わるべきかを明確にすることです。
このレポートでは、そのために必要な情報を提供しています。