【パート18】

独立コンサルの広告戦略

【無料公開】独立コンサルタントの成功戦略大全|法人市場で選ばれる20の実践レポート

広告に資金を投入しても損するだけ。一体、どうすべきか?

あるセミナーで「集客には力を入れるな!」とアドバイスを受けました。最初は「?」「この人は何を言っているんだ?」と疑問に思いましたが、説明を聞くと、新規の見込み客を獲得しなくても、成約率を改善し、単価を上げれば売上は2倍、3倍、4倍にできるという理屈でした。

確かに理屈上はその通りかもしれません。しかし、そもそもアプローチできる会社(見込み客)がいないという、成約率を上げる以前の問題に直面します。そこで見込み客を集めるため、ネット広告に月5万、10万、20万円…と資金を投入しました。確かにリストの数は20、50、100と増えていきましたが、実際はクライアントになりそうもない人ばかり。さらに、新規登録した人の約3分の1は2~3日以内に離脱し、その後はメールを開封すらしてくれません。

このままでは広告に資金を投入するほど無駄が増えるだけです。一体どうすればよいのでしょうか?

大事なのは広告にお金を注ぎ込むことではなく、良質な見込み客との接点をどう作るかです。

法人狙いのコンサルタントが、個人向けの販売方法をそのまま真似しても上手くいきません。

問題の本質は「集客をネット広告に依存していること」です。一般的にネット広告では、LP(ランディングページ)に誘導し、ホワイトペーパーや資料ダウンロードと引き換えにメールアドレスを取得する方法が多く用いられます。これは低単価サービスや個人・個人事業主向けの「見込み客の獲得」には効果的です。

しかし、法人向けコンサルにとっては「数ある手段のひとつ」に過ぎません。ターゲット層が根本的に異なるため、個人向けのやり方を模倣しても結果が出ないのです。

質問文にもあった「成約率や単価を改善すれば売上が何倍にもなる」という理屈自体は正しいです。例えば、見込み客100名・単価30万円・成約率20%なら、売上は30万円×20人=600万円。

これを成約率30%に引き上げれば900万円に、さらに単価を45万円にすれば1,350万円に。見込み客数が同じでも、成約率と単価の改善で売上は倍以上になります。だから「集客に力を入れるな!」というアドバイスには一定の真実があります。

しかしこれは、あくまで個人事業主や小規模ビジネスを対象としたサービスに当てはまる考え方です。法人相手の場合で、そもそも「見込み客がいない」状況では意味を持ちません。

個人事業主向けなら、Facebook広告やリスティング広告で100以上のクリックを獲得すれば1~2件のリストは獲得可能です。しかし、中小企業の経営者や幹部を対象にする場合は通用しないかもしれません。なぜなら、広告で集まるのは同業者や情報収集目的の人ばかりだから。これでは成約までのプロセスが長く複雑になります。

また、個人向けサービスであれば、セミナーの当日に“本日お申込みの方に限定の割引”などのオファーを出すことで、即決(申し込み)につながるケースもあります。しかし、法人向けで100万円以上のコンサル契約となれば、そのような方法は通用せず、複数回の提案や交渉を経てようやく契約に至るのが一般的です。

したがって法人向けコンサルタントは、「自分が受けているアドバイスは、もしかしたら個人相手のモデルではないか?」と意識した上で判断を下すべきです。アプローチについて、BtoB(法人)向けとBtoC(個人)向けを一緒にしてはいけません。

結論として、答えは一つではなく複数あります。ご自身の経験・スキル・資金・立ち位置に応じたやり方を選び、組み合わせることです。

ポイントは「良質な見込み客をどこから、どのように獲得するか?」。これを見極め、時間と資金の配分を考えることです。

私が理想と考えるのは、お金を稼ぎながら見込み客と接点を持てる状態を作ることです。例えば、講演やセミナー講師、雑誌寄稿、TV出演、社外役職や委員会活動などを通じて、自然と見込み客に出会える環境を整えることです。これなら広告依存のような無駄な出費を抑えつつ、自分の権威性も築けます。

逆に苦労が多いのは、ゼロから広告で見込み客を集めようとする方法です。資金力がある大手なら別ですが、ひとりコンサルにとっては高リスクです。大前研一氏のような著名コンサルでさえ、純粋なコンサル業だけでなく複数の活動を組み合わせています。

だからこそ、やるべきこと・やらないことを明確にし、複数施策をどう組み合わせるか戦略を定めることが重要です。そして迅速にPDCAを回し、修正を繰り返すのです。

  • ネット広告は法人向けでは「手段のひとつ」にすぎない
  • 成約率や単価を改善すれば売上は伸びるが、前提は「見込み客が存在すること」
  • 法人狙いと個人狙いでは集客・営業のアプローチは異なる
  • 万人向けの解決策はなく、自分の経験・資金・立ち位置に合った戦略が必要

つまり、広告依存から抜け出し、可能な限り、日常業務を通じて「見込み客と自然に出会える仕組み」を作ることが、法人コンサルにとって最も有効な道なのです。

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純粋に「コンサルティング」というサービスだけを広告に資金を投入して売ろうとすると、どうしても苦戦します。

先ほども触れましたが、広告は「先行投資として支払う額」と「後に回収する額」の差額で利益を得るための仕組みです。しかも、多くの場合、初回の購入だけで利益を出すのは難しく、むしろ赤字覚悟で新規顧客を獲得します。その後、リピートや継続契約によって徐々に黒字化していくのです。これは物販に限らず、コンサルティングでも同じ構造です。

ですので、広告を打つ際には「単発の契約で回収しよう」と考えるのではなく、「継続契約やリピートにつなげる設計」を前提にする必要があります。

なお、当会が提供するサービス「今すぐ改革」では、無料の相談会をご用意しております。ご興味がありましたら、ぜひ下記をクリックして詳細をご確認ください。