【特別レポート001】

年間売上10億円規模の中小企業向け

勝てる新規事業の戦略とマーケティング
~一刻も早く試行錯誤から抜け出して躍進する~

【パート2】
中小企業でも勝てる新規事業! 成功のための戦略立案ポイント その2)

まずは明確化すること

明確化する

これからお伝えする「このセクション」の内容は、興味を持たない人もいるかもしれません。また、専門用語を知っているだけで、本当は理解していない人もいます。ですから、「当たり前だ」と思っている人でも、ゆっくりと読んでみてほしいです。逆に、このセクションの内容が新鮮に感じる人もいるでしょう。

重要なのは、自社が現在何をしているのか、また今後何をする予定なのかを改めて確認して、明確にすることです。

単に経営者がイメージを描くだけでは不十分ということです。重要なのは、第三者にも伝えやすい・伝わりやすい形式で表現することです。特に、中小企業の中には、このような作業を怠っている経営者が多いです。 

「事業」は、日々の意思決定によって成されます。最終的な選択は、経営者や責任者によって行われますが、社内で発生する細かな問題は、一人ひとりの社員が判断する必要があります。

事業が「明確化」されていると、すべての意思決定に一貫性が生まれるため、社員間での「つまらぬ認識の相違」などが減少します。また、「明確化」により、「基準」ができるため、自社の状況はもちろん、外部委託業者や他の関係者との状況も把握しやすくなります。これにより、関係者同士が互いの状況を理解し合えるようになります。

つまり、「明確化」によって、関係者同士が相手を理解するようになります。しかも自分たちの状況がより把握しやすくなるのです。

  • あなたの事業では、一体、何を築こう(目指そう)としていますか? 
  • その理由は何ですか? なぜ、その事業をやっているのですか? 
  • 何を「売り」にしていますか? 
  • 一体、顧客は誰でしょうか? ターゲットは? 
  • その顧客が対価を払う価値とは何ですか?
  • 顧客(お客様)にはどうなってもらいたいですか?
  • どのようにして競争に勝つつもりですか?

このように、なぜ行うのか、何のために取り組むのかという疑問に答え続けることをおすすめします。「カイゼン」において重要なのは、「なぜ?」と何度も質問を繰り返すことです。このようにして真の動機を明確にするのです。

事業を展開するに際し、自社の「現状を把握すること」は必須です。自社の現状把握を踏まえた上で、先に述べた以下の点に関して定義付けが適切に行われているかどうか再確認する必要があります。

以下、前述の質問を繰り返します

  • あなたの事業では、一体、何を築こう(目指そう)としていますか? 
  • その理由は何ですか? なぜ、その事業をやっているのですか? 
  • 何を「売り」にしていますか? 
  • 一体、顧客は誰ですか? ターゲットは? 
  • その顧客が対価を払う価値とは何ですか?
  • 顧客(お客様)にはどうなってもらいたいですか?
  • どのようにして競争に勝つつもりですか?  

 

このようなことを検討し、明確化する必要があるのです。

ここで重要なのが、「自社の強み」をよく見極めることです。激しい競争市場で勝利するには、競合に対して優位性のある強みにフォーカスした方が良いのです。つまり、「競争優位性」を持つことです。自社の強みを見つけ、それを活かす戦略を検討するのです。

ちなみに、「競争優位性」とは、自社が競合他社に対して有する優位性のことです。自社の強みを特別な領域で活かすことによって、競合他社には負けない価値を提供できることです。

 

ここからは少し難しい話が始まるので注意して読んでください。

企業は狙ったターゲット顧客に、競合他社よりも優れたサービスを提供できる「コアコンピタンス(core competence)」を開発することによって、競争優位性を創造します。コアコンピタンスとは、企業の中核となる強みのことであり、英語で表現するとわかりやすいです。

"core" には中核という意味があります。自社の中核にある強みが「コアコンピタンス」であり、これが「競争優位性」をもたらすのです。重要なポイントは、自社がどのようにして競争優位性を獲得するのかを明確にすることです。これなしに事業に参入することはできないとも言えます。 

参考までに、コアコンピタンスについて、誰でも知っている大企業の事例をいくつか紹介します。ホンダのエンジン技術、ソニーの小型化技術、シャープの液晶技術などがあります。また、セブン&アイ・ホールディングスでは、購買量に裏付けられたバイイング・パワー、POSを活用した顧客ニーズへの対応力、充実した店舗網などが挙げられます。

次に、その業界で成功するためには何が決定的に重要なのかを見極めなければなりません。この重要な要素をCSF(Critical Success Factor)と呼びます。KSF(Key Success Factor)として言及されることもありますが、どちらも市場で勝つために必要不可欠な要素を指します。

まず、自社がどのようなコアコンピタンスを持っているべきかを考え、それを競争優位性に変えていかなければなりません。話がやや複雑になってきますが、すべての始まりは「自社の強み」ということになります。自社の弱みにフォーカスするのではなく、自社の強みに集中する必要があります。「自社は何を得意としているのか?」、「過去に成功を収めたことは何か?」などといったことを熟考しながら「強み」を洗い出して整理してみましょう。

再び横文字が登場しますが、マーケティングの世界では、フリップ・コトラー氏が提唱したSTPという概念が有名です。

STPとは、Segmentation(市場を細分化すること)、Targeting(狙うべき市場を決定すること)、Positioning(どう認識されるかを決定すること)の頭文字です。 

まずは市場を細分化し、どのセグメント(狙うべき市場)にフォーカスするかを決めることが重要です。そして、その狙うべき市場でどのように認識されるか(ポジショニング)が成功のカギを握るということです。

要は、「〇〇社(あなたの会社)は素晴らしい」と高い評価を得られるよう、狙うべき市場でのポジショニングを工夫することが重要なのです。

なお、セグメンテーションは、市場を細分化することを指します。細分化する方法には、さまざまな切り口があります。ポイントは、大きな市場を浅く広く狙うのではなく、狙うべきセグメントにフォーカスするということです。STPのように市場を細分化し、狙うべき市場(セグメント)を明確にするのです。先に説明した「競争優位性」を最大限に活かせるセグメント(市場・領域)で勝負するようにしましょう。 

また、勝負する市場がどこであれ、自社をそのセグメントにおける専門家(ナンバーワン企業)として位置付けられるようになることが重要です。自社の強みを活かし、まずは特定のニッチ市場を制することを目指しましょう。これは「勝てる場所」を見つけ出すということです。

攻めるべきセグメントにフォーカスする大きな理由の1つは、現代社会が多数の情報に溢れているため、顧客に選んでもらうためには、自社の製品・サービスのコンセプトを単純明快に伝え、その分野における専門家であることをアピールする必要があるからです。

 情報過多の現代社会では、個人はあらゆる分野において、あれこれ比較検討する時間的余裕がありません。そのため、自社の製品・サービスのコンセプトを簡潔にまとめ、その分野での専門性をアピールできるようになることが、(その分野で)ナンバーワン企業であると認知されるためには不可欠なのです。

では、「一体どのようにして、溢れんばかりの情報の中から自社の存在をアピールすることができるのか?」「どうすれば、●●といえば〇〇社(あなたの会社)となるのか?」といった問いが生じます。そのためには、自社が提供する●●という製品やサービスを、どのように顧客にアピールするかが重要です。顧客に認知されることは、「●●といえば〇〇社だ!」といった認識を持たれることを意味します。

顧客から見た自社の位置やイメージを「ポジショニング」といいます。この用語は、競合と差別化する独自の位置を確立すること、あるいは市場における自社製品の競合製品に対する位置づけを表すものです。 

つまり、自社の製品・サービスが、どのように競合と比較して位置付けられ、どのように認知されているのか? これがとても重要です。これは、自社の製品・サービスが潜在顧客からどう見られるのかによって決まります。

あなたが提供する製品・サービスが、潜在顧客に「すごい」「立派だ」「優れている」などとイメージされていれば、高値でも人は買うようになるのです。 

以上の説明を通じて、STPSegmentation, Targeting, Positioning)の意味がより理解できたのではないでしょうか。

既存の市場が成長するにつれ、その市場は他のニッチ市場に分割され、個々の市場が形成されていきます。新しい製品やサービスが相次いで登場し、市場環境が変化するため、市場の分割は必然的に進むことになります。 

あらゆるビジネス分野でこのような市場分割が起こっており、今後もさらに進展するでしょう。そのため、自社をあるセグメントの専門家、つまりナンバーワン企業として位置付けることが重要です。

特に、中小の場合は、焦点を絞り、特定のニッチ市場を狙うことが必要です。 

市場で勝つためには、勝てそうな分野、つまり勝つ可能性のあるセグメントを明確にすることが必要です。自社が提供できることで、イチバン(ナンバーワン)になれそうな勝ち目のあるセグメントを探すことが重要です。

そのためのポイントの1つは、専門性を深めることによってナンバーワン企業として位置付けることです。もう1つは、その分野でリーダー的な存在になることです。そうすれば、自社のポジショニングは既成事実となります。

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【パート2】では【パート1】に比べて内容を詳しく扱っていますが、ご理解いただけましたでしょうか?

「セグメンテーション」や「ポジショニング」の概念についても説明しましたが、これらがどのように役立つかは実例を見ると明確になります。

例えば、数学を専門とする塾のビジネスを想定してみましょう。全ての学生をターゲットにすると、競合が多いために埋もれがちです。一方で、中学受験や高校受験、大学受験といった具体的なセグメントにフォーカスすることで、ターゲットを絞り込むことが可能です。

しかし、これだけではまだ競合との差別化は不十分です。さらに絞り込んで、「麻布中学を目指す小学生向けの算数教室」とするなど、特定のニーズに応えるセグメンテーションを実施することが、より効果的です。これにより、麻布中学入学を目指す生徒の保護者を対象に、そのニーズに応じた専門的なサービスを提供できます。

ポジショニングは、こうしたセグメンテーションを基に、顧客が自社のサービスをどう認識するかを決めるプロセスです。例えば、「関口式数学教室」が麻布中学入試に強いという印象を持たれるようなポジショニングを目指すことにします。これを実現するためには、顧客の要望をよく理解し、それに合わせて価値を提供することが不可欠です。

効果的なポジショニングを通じて、顧客にとって自社が魅力的な選択肢となり、他社との差別化を図ることができます。マーケティング戦略において重要なこのステップは、ビジネス成功の鍵を握ります。

お困りの際は、戦略プロセス経営実践会の「オンライン相談・診断サービス(無料)」をご活用ください。私、関口がお手伝いし、戦略立案に向けたアドバイスを行います。詳細は当会のウェブサイトをご確認ください。

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