【特別レポート001】
事業成功に秘訣:常に事業をチェックしよう!
世の中の多くの事業活動は、一見すると複雑に感じられるかもしれませんが、実際には非常にシンプルなモデルであることが多いのです。なぜなら、「お客さまを見つけ出して注文をもらい」「(お客さまに)無事に商品やサービスを提供して」「商品やサービスの対価としてお金(料金)の回収をする」だけにすぎないからです。
販売する商品・サービスは異なっていても、基本的に「お客さまから注文をもらい、商品を渡し(サービスを提供し)、お金を回収する」といったサイクルを繰り返す、シンプルな事業なのです。
このように事業活動はシンプルとはいえ、企業の事業をチェックするにあたっては、競争・戦略・組織・損益・資金などの検討が不可欠です。この検討を習慣化することです。
競争は、「あなたが参入した市場には、どのような競争相手がいるのだろうか?」「競争相手は、どんな商品・サービスをどのようにプロモーションしながら、どのくらいの価格で販売しているのだろうか?」などと検討すること。
戦略は、「市場で勝つため、競争相手よりも有利に立つためには一体、何が必要であろうか?」と検討すること。
組織は、自社の強み・弱みを把握すること。
損益は、「事業は十分な利益が出る構造になっているか?どのような損益構造になっているか?」を掴んでおくこと。
資金は、「十分なキャッシュがあるか?今のままキャッシュが減り続けたら、いつまで事業を続けられるのか?」を掌握しておくこと。
ポイントは「顧客の満足」と「自社の儲け」の両立
このように、事業に対してさまざまな面で検討する必要がありますが、結局は「顧客の満足」と「自社の儲け」を両立させなければならないことにお気づきですか? 商品やサービスを提供してお客さまに満足してもらうことが、事業展開での大前提になります。また、「自社の儲け」については戦略を明確にした上で、自社事業をどのような損益構造(モデル)にするのか、つまり、どのような「儲け方」にするのかということになります。これは、自社事業の「儲けのメカニズム」を設計することでもあります。
ちなみに、後のセクションで詳しく説明しますが、中小企業にとっての戦略とは、自社の「ヨソには負けない強み」を活かして「ミッション」「ビジョン」を実現させることです。カタカナ言葉ではなく、「あるべき姿」と表現した方が良いかもしれません。「あるべき姿」に到達するためのシナリオを描くことです。当然ながら、「ミッション」や「ビジョン」については経営陣だけではなく、現場の社員にまで共有されていなければ、「あるべき姿」に到達するための戦略は機能しないのです。
そこで、ポイントとなるのが「明確化と共有」です。
【パート1】については、内容に早期に馴染んでいただけるよう配慮し、短編にしました。
このような事業戦略に関するレポートを読む際には、自社の事業への応用方法に迷うことがあるかもしれません。重要なのは、競争、戦略、組織、損益、資金などの要素を常に念頭に置きながら、達成すべき「あるべき姿」への道筋を明確に描くことです。
「動画が流行だからYouTubeを使おう」「AIを導入しよう」といったように、流行りに飛びつくのではなく、明確な戦略に基づいてロジカルに物事を考えることが大切です。
したがって、事業戦略を策定する際には、自社の現状、市場動向、顧客ニーズなどを総合的に分析し、慎重にアプローチを選定することが求められます。