コンサルタントを対象としたレポートではありますが、1人で活動する方に限らず、数名規模の税理士事務所や社労士事務所といった小規模士業事務所にも応用可能な内容となっています。
こちらのパートはQAセッションの続きですが、1つの質問に対して丁寧に掘り下げて解説しています。
いきなりQAセッションから読み始めると、前提となる考え方や背景を十分に理解できず、「なるほど」と思ったつもりでも核心がつかめないことがあるかもしれません。
そこで、まずは「プロローグ」から順を追って学んでいただき、その上でQAセッションに進むことをおすすめします。
経営コンサルタントとして独立しても、2年・3年経っても1件の契約すら取れない人が少なくありません(※雇われ仕事をしている場合を除く)。一体、何が問題なのでしょうか?本人の努力不足なのか、それとも外的要因の影響が大きいのでしょうか?
さらに、関口さんご自身はいつ最初の1件目を契約し、どのように獲得されたのか?――この点についても触れたいと思います。
ラーメン店のように多額の開業資金や設備投資が不要なため、気軽に「独立」ができるのがコンサルタントです。しかしその一方で、アルバイト的な副収入に頼り、そこに安住してしまう人が多くいます。
会社の売上はゼロが続いていても、個人として一定の収入が確保できてしまう。そのため、「自分の力で集客しなければ」という緊張感やハングリー精神を失い、結果として行動が後回しになり、気づけば数年が経過しているというケースが多いのです。
● 「雇われの仕事」と「自分の企画にお金を払ってもらう仕事」の違いを理解していない
もうひとつの大きな問題は、仕事の本質を誤解していることです。
履歴書や職務経歴書などを送って獲得するのは「雇われの仕事」です。対して、独立後に必要なのは「自分の企画や提案に対してお金を払ってくれる顧客」を見つけること。しかし、多くの人がこの違いを本質的に理解していません。
とりわけ、技術畑や管理部門出身者に多く見られます。
「ブログを更新すれば集客できる」「Facebook広告が良いらしい」「出版すれば名が売れるになる」など、根拠の薄い情報に振り回され、失敗を重ねてしまうのです。そして、現実とのギャップに耐えきれず、自己嫌悪から諦めてしまうケースが珍しくありません。
まとめると、契約が取れない原因は外部要因ではなく、本人側の問題が大きいと考えます。具体的には次の3つです。
結果として、「感覚が掴めない」「勝手がわからない」と迷走し、時間だけが過ぎてしまうのです。
●関口はどうやって最初の1件目を獲得したのか?
私は2008年2月に会社を設立し、翌3月下旬から本格的に活動を始めました。そして3~4カ月後の7月に、最初のコンサル契約を獲得しました。
その背景には、独立前からの周到な準備があります。
会社設立直後にHPを立ち上げ、その2~3週間後には教材販売をスタートさせました。さらに1回に1~5万円ほどの広告を積極的に出稿し、教材の購入者を個別相談に誘導してコンサル契約につなげました。教材は手作りのオンデマンド型で、在庫リスクなし。顧客からのフィードバックを反映しながら常に改善していきました。
大きかったのは、中小企業で新規事業をゼロから立ち上げ、数百万円単位の広告予算を使って多様な媒体を試す経験を積んでいたことです。オンライン広告もオフライン広告も、自ら原稿を書きながら実践していたため、独立直後から同じような広告展開が可能だったのです。
● ただし大きな反省点もあった
起業初期は契約が順調に取れましたが、「次の契約」につなげる仕組みを怠ったことに、後から気づきました。当時は「また続けますか?」と顧客先に聞く程度で、結果として長期契約や継続案件に結びつけられませんでした。
お役に立ちましたか?
実は、ライスワークで一定の収入が得られてしまうと、肝心のライフワークが後回しになることがよくあります。
ライスワークは多くの場合「時間給」です。自分の時間を犠牲にすれば、その分だけ確実にお金が入ってきます。
一方で、ライフワークは成果が出るまでに時間がかかるものです。努力を続けても、すぐに結果が見えないことが少なくありません。そのため、どうしても短期的にリターンのあるライスワークを優先してしまう人が多いのです。