こちらのページでは、教材『あなたの事業を丸裸にすれば 次なる打ち手が見えてくる』の試し読みができます。「第2章」のイントロダクションと「ポイント1」の全文をそのままお伝えしています。
なお、「第2章:事業活動の実態把握で重要な3つの動きを理解する」は、計3つのポイントから構成されています。
第1章では「事業の成果をシンプルな方程式で語れるようにする」ことで、事業のメカニズムを解明し、事業の成否に大きな影響を与える指標(数値)をコントールしながら事業運営を行うことが重要であると述べました。
ところで、経営者(事業の責任者)として「必ずやるべきこと」は、事業全体の実態を常に把握することです。いろいろな角度から事業を全体的かつ部分的に、しかも常に把握しなければならないのですが、実は当たり前すぎるにもかかわらず特に大きな組織に属している人などには忘れがちなことがあります。それは、どの事業でも「お客さま(顧客)ありき」ということ。
そこで「事業全体を把握する」という目的から、この章では事業活動の実態把握で重要な3つの動きの中でも最も影響力の大きい「顧客の動き」を中心に学んでもらいます。
この動きを把握することで、事業の実態が見えてくるはずです。事業の儲けのメカニズムが理解できるようになります。事業を1つのシステムとしてみなすのです。そうすれば同時に取り組むべき課題が明確になってくるはずです。
経営者の最大の使命は何でしょうか?
それは大きく2つあります。1つは、顧客の要求に対して付加価値を生み出し、満足してもらうことです。もう1つは、顧客へ付加価値を提供する見返りとして、利益を得ることです。つまり、経営者は「顧客の満足」と「自社の利益」の両方を満たさなければなりません。企業経営では、「顧客の満足」を高めると同時に利益が重要となります。
ところで、会社の利益はいつ、つくられるのでしょうか?
一般的な管理会計では、製品が売れた時点になって、利益の計算が可能となります。売れないと利益の計算ができません。そのような利益は、開発、製造、営業などの過程を通じて積みあがったものです。つまり、新商品の開発、生産現場における生産性改善や品質改善の努力、営業マンの動きなどが利益を生んでいることになります。
しかし、一般的な管理会計ではこういうことが見えません。見えないために、さまざまな問題が生じても、それに気づくことなく、手を打つタイミングが遅くなってしまいます。仮に、あなたの会社で利益が減ってきた時に、経営者として「何が原因なのか?」「打つ手は何か?」といったことが迅速に判断できたら良いと思いませんか? 「会社の利益が減少してきた」「なかなか新規顧客との成約に至らない」という現象に対し、素早く手を打つことができるようになるのではないでしょうか?
経営者として事業を営んでいると大なり小なり、毎日、さまざまな問題が発生します。そのために「本来、じっくりと考えてやるべきこと」がついつい後回しになり「モグラ叩き」の日々になってしまうのです。「モグラ叩き」とは、よく考えてみればつまらない案件への対応です。それには「〇〇さんはヒマなのに、なぜ私はこんなに大変なのか?」などという部下からの不平不満も含まれます。「モグラ叩き」のような案件への対応も必要ですが、本来、経営者として「じっくりと考えてやるべきこと」とは、事業全体の実態を常に把握することです。例えば、
いろいろな角度から事業を全体的かつ部分的に、しかも常に把握することです。個々の案件をバラバラに検討するのではなく「事業全体」の把握です。事業の細部に気を取られるのではなく、全体を俯瞰するのです。事業を1つのシステムとして捉えるのです。そこで、事業活動の全体を把握するという目的においては「商売の基本」となる3つの動きを把握することがとても重要となります。3つの「動き」とは次の通りです。
これらの動きを全体的に把握することで、事業の実態が見えてくるはずです。「顧客の満足」と「自社の利益」が見えてくるのです。もちろん事業の儲けのメカニズムが理解できるようになります。そうすれば同時に取り組むべき課題が明確になってくるはずです。そのためにも事業を1つのシステムとしてみなすのです。
「顧客」「商品」「お金」の3つの動きを把握することがポイントとなるのですが、中でも「顧客の動き」の理解がとても重要です。なぜなら、どの事業でも「お客さま(顧客)ありき」だからです。世の中には、あらかじめ予算が与えられ、その予算消化のために活動するという実に恵まれた仕事をしている組織があります。しかし、一般的な企業ではまず顧客を獲得するために「お金を動かす(出費する)」必要があります。そして、顧客が購入してくれることで商品が出荷されたり、サービスが提供されたりします。また商品(サービス)と引換えに、顧客からお金をいただきます。
商売ではこのようなサイクルを繰り返しています。「集客活動をする(例:広告を出す)」「商品・サービスを提供する」「料金を回収する」。無意識かもしれませんが、私たちは日々のビジネス(事業)活動を通じて常に「顧客」「商品」「お金」を動かしています。これらの動きを常に全体的に、かつ体系的に把握することが非常に重要となるのです。
先に「利益を得ること」が経営者の最大の使命の1つであると述べましたが、「顧客」が動かない限り、補助金や給付金をもらうような場合を除き、「お金」は動かないのです。
第2章の「ポイント1」はいかがでしたか?
この章の「ポイント2」以降の内容につきましては、教材を購入された上、ご確認ください。