このページは、特別レポート・『個人経営コンサルタントの事業戦略:法人を攻めてニッチでNo.1を狙う』の「サンプル版」として【パート1】の前半ページを紹介しています。

なお、この特別レポートは【パート1】から【パート4】まで4部で構成されています。【パート5】以降についても、6、7、8、9…と追加されていきます。

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このレポートは、「パート1」「パート2」「パート3」「パート4」と4部から構成されています。「パート4」までで一旦終了となりますが、「Q&A」形式で「パート5」以降も続いていきます。つまり、適宜、情報が追加されていくレポートということです。

最初の「パート1」はQA形式でお届けします。全部で7つのQ&Aがありますが、かなり長いので2ページに分かれています。

とても重要なことが書かれていますので、ぜひご自身の事業にいてよく考えながらしっかり読み込んでください。

Question1

(1)個人経営コンサタントが事業を展開していくうえで最も意識すべきことは何ですか?

(1)「新規獲得のコスト&時間」と「LTV(顧客の生涯価値)」

事業を上手に運営するために最も注意を払うべきポイントが大きく2つあります。「新規獲得のコスト&時間」LTV(顧客の生涯価値)」です。

当たり前ですが、理想は、時間を掛けることなく、低いコストで新規の顧客を獲得し、LTVの高い顧客を多く持つことです。しかもリスクを分散させながら…。

「時間」と書いたのは、時間の経過が「機会損失」につながるということです。いくら新規獲得のコストが低くても、獲得するまでに時間が掛かったら「稼げたはずなのに稼げなかった」ということになります。

Question2

(2)独立した経営コンサルタントとして事業を見直す際のポイントをいくつか教えてくれませんか?

(2)売上構成、時間(スケジュール)、リスクの分散、獲得の難易、効率性、LTV、機会損失、運営スタイル、時間軸など

はい、いくつかあります。

独立した経営コンサルタントとしてご自身の事業の戦略を検討する際には、売上構成時間(スケジュール)リスクの分散獲得の難易効率性LTV機会損失運営スタイル時間軸などについても考える必要があります。

つまり、複合的に考えた上で、あなたにとって「ベストな選択肢」「ベストな可能性」を探るのです。

これから述べる内容は、ご自身の戦略を検討する際に、よく頭に入れておいた方が良いことです。よく考えながら目を通してみてください。

例えば、独立したコンサルタントとして、月間の売上90万円の経営コンサル事業を目指すと、年間売上は1,080万円となり、1,000万円の大台を超えます。

この目標は月に30万円を払ってくれる顧客を3社見つけ出せば達成できます。30万円X3社=90万円 となるからです。3社であれば各社に対して月1~2回の訪問でも時間(スケジュール)の調整は問題ないでしょう。

しかし、今月に1社、来月にまた1社と契約終了のタイミングが重なると、あっという間に売上が1/3に激減します。少ない数の顧客に頼っていると、1社を失う(1社と契約が終了する)だけでも、売上全体が大きくマイナスの影響を受けます。これでは売上構成の面で事業リスクが高いと言えるでしょう。

また、月に30万円を払ってくれる顧客を探し出すことは、月に5万円、7万円の契約案件よりも遥かに難しいはずです。獲得までに時間と費用が掛かります。

 

次に、小さな会社を相手に月4万円の契約案件を獲得する事業を組み立てることを想定しましょう。この場合、月に90万円以上を売り上げるためには、なんと23社も見つけ出さなければなりません。月1回2時間の訪問でも、23社もあると訪問のスケジュール調整が大変です。

しかも、遠方の顧客を訪問すると移動に時間が掛かります。距離は大したことなくても、電車が1時間に1本しかない場所にある顧客を訪問する場合は(電車の)待ち時間が増えます。このように顧客(訪問先)が遠方にあると、1日に1社の対応が限界となります。このように顧客が分散していると時間(スケジュール)の調整が難しくなるのです。

 

でも、顧客が地元に集中していれば、午前中に1社、午後に2社と時間差で1日に2社、3社、と訪問することが可能です。効率的に訪問することが可能になります。

他にも良い点があります。顧客数が多ければ、1社、2社との契約が終わっても、リスクが分散されているので売上全体に対する影響は限定的です。

ところで、「月に90万円以上を得るためには、4万円の契約を23社から獲得する方法よりも、月30万円の契約の方がわずか3社で済むではないか?」「こちらの方が簡単ではないだろうか?」と考える人が少なくないはずです。一見するとその通りですが、月30万円の契約となると顧客の獲得がかなり難しくなります。料金が高くなると、対象が一定以上の規模を誇る企業に限られるようになるからです。集客するための投資も必要になります。

月に4万円であれば、美容院、エステ、小売店舗などをはじめ、地元の零細事業者でもなんとか工面できる金額です。だから限られた地域(商圏)にフォーカスし、複数(多数)の契約を獲得することが可能です。ところが、月30万円の契約となるとそうは問屋が卸しません。なぜなら高額だから。

中小企業が地元の公的機関の経営支援サービスを利用すれば、専門家に事務所まで来てもらう場合でも負担は1回当たり最大3万円以内で済みます。だから民間のコンサルは、「高すぎる!」と一蹴されてしまうのです。

月1回の訪問で30万円。これは一部の大企業には安いコンサルティング料金かもしれませんが、売上10億円未満の中小企業の殆どは高いと感じるはずです。だから、コンサルタントはターゲットの地域を広げなければなりません。対象を全国に広げて活動しない限り、顧客の獲得がかなり難しくなるのです。

ちなみに、獲得が難しい月1回の訪問で30万円の案件を狙い続け、仕事がないまま時間を過ごすことは機会損失につながります。仕事がなく、売上が0(ゼロ)のまま時間が過ぎていくからです。月にわずか1回の訪問で30万円の仕事は魅力的かもしれませんが、10日間仕事がなければ売上はゼロです。

一方、単価が4万円の仕事であっても、1日1社を訪問するだけでも10日後には40万円に達します。高い単価の案件を狙い続けて何も仕事がないまま3カ月、4カ月と時間が経過すれば、生活費だけでもあっという間に100万円を使ってしまうことになるでしょう。そこで「これではマズイ!」と広告に資金を投入し始めるかもしれません。そうすると、今度は1件も獲得できないまま、投入した資金(広告費)までも失ってしまうかもしれないリスクがあるのです。

このように、売上構成時間(スケジュール)リスクの分散獲得の難易効率性などをよく理解しておくべきなのです。

追加しましょう。

平均すると1社とはどのくらいの期間、契約が続くのでしょうか? 

単価が高く、長く続けば顧客の生涯価値(LTVが高くなります。しかし、単価が高くてもLTVが低ければ、何度も繰り返し新規として顧客を獲得し続けなければなりません。繰り返し顧客を獲得するためには「仕組み」が必要となります。しかも、そのような新規顧客の獲得には何かと高いコストが掛かるのです。

また「時間軸」という概念の理解が重要です。なぜなら先に述べた4万円のコンサルとはいえ、いきなり23社の獲得ができるわけではないからです。運良く起業した初月に2社と契約できたとしても、売上は8万円にすぎません。生活費として不足する分は貯金を取り崩すことになるのでしょうか? また、どのくらいのペースで23社を獲得していくのでしょうか? 本当に実現できる可能性はあるのでしょうか?

こういうことをあらかじめ想定した上でキャシュフローを管理しなければならないのです。

さらに追加しましょう。これまではすべて顧客先に「訪問すること」を前提にした「1対1」のコンサルティングの話でした。しかし、顧客に「来てもらう!」という運営スタイルも可能なのです。それに「1対N(多数)」の方法もあります。今後は、コロナの影響もあり、Zoomを使ったオンラインだけでもOKというスタイルが定着していくはずです。

なお、同じことを皆で学ぶ「勉強会」「研究会」のような場であれば「1対N(多数)」の運営スタイルが可能ですが、本来、守秘義務を伴うはずのコンサルティングを「1対N(多数)」で行うことはちょっとおかしいはずです。でも、「勉強会」「研修会」などとは表現せずに、「グループコンサルティング」と「コンサルティング」などの表現が使われているのが実態です。

このようにグループ型のスタイルで、個人事業主や年間の売上規模1~2億円までの経営者を対象に、効率的に「1対N(多数)」で運営することも可能です。だだし、顧客の事業規模が大きくなると「1対N(多数)」の運営は個人コンサルタントの身分として、かなり難しくなります。だから、現実として個人事業主のような人ばかりが対象となるのです。

以上、長くなりましたが、これまで述べたようなことを踏まえた上で、経営コンサルタントとしてご自身の事業の戦略を検討しましょう。徹底的によく検討すれば、遠回りする可能性が低くなり、後に300万円、500万円、700万円という大金を失わずに済むはずです。遠回りしてしまう人が多いのは、戦略が曖昧なまま「ツールありき」「戦術ありき」の発想になってしまうからです。そうなると、いつまでも試行錯誤が続いてしまうのです。

「ブログは書いた方がいいかな?」「やはり出版して…」などと「ツールありき」「戦術ありき」の発想になるのではなく、先にご自身の事業の戦略をかなり真剣に、少し時間を掛けてでも考える必要があるのです。その上で、「何をするべきか?」「何を止めるべきか?」を決めることです。

Question3

(3)住んでいる地域の違いによって有利なやり方、あるいは、不利なやり方はありますか? 少し具体的に教えてくれませんか?

(3)その通り、有利・不利なやり方があります

はい、その通りです。住んでいる地域によって有利なやり方、あるいは、不利なやり方があります。

例えば、あなたが県庁所在地から少し離れた街に住んでいると仮定します。青森県弘前市としましょう。弘前市にある会社が月に30万円のコンサル料金を払う場合は、東京在住のコンサルタントが新幹線を利用し、新青森駅経由でやってきても何ら不思議ではありません。

ところが先に述べた4万円の案件だったら、どうでしょうか? 単発の仕事でやって来る人はいるでしょう。しかし、4万円の案件のために、毎月、(東京に限らず)遠方からはるばる弘前市までやってくる人はあまりいないはずです。

先にも述べた通りですが、コンサルティングの料金が高ければ遠方からもコンサルタントがやってくる可能性が高い一方、低ければ近くの人(コンサルタント)しか興味を示さなくなります。なぜなら、経営コンサルタントが遠方の案件を取ると、移動に時間が掛かり1日に1件しか訪問できなくなってしまうからです。効率性の問題に直面するのです。30万円なら良いのですが、交通費込みで4万円の案件なら遠方の人は誰も手を出したがらないのです。

ということは、ターゲットの数こそ少なくなりますが、弘前市における月4万円の案件については、競合の数が限定されることになります。

同じことを東京都世田谷区の場合で考えてみましょう。この場合、同じ金額の4万円のコンサル案件の場合、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県からも経営コンサルタントが支援にやってきても不思議ではありません。交通の便が良く1時間程度でアクセスできるからです。弘前市のケースに比べると、競合が非常に多くなります。

つまり、弘前市のような地域に住んでいるコンサルタントは、地元に特化することで(地元の案件では)優位な立場に立てるのです。人の移動が限定され、商圏が限定されるからです。だから地元の商工会議所などが主催する事業・イベントに積極的に関わり、地域の経営者と接点を持つことを繰り返せば、コンサル案件の獲得はかなり容易になります。

しかし、世田谷区のような場所に住んでいると、同じ月4万円の案件でも競合相手がかなり多くなります。都会になればなるほど、商圏が広範囲になり競合の数も増えるので、地域密着のコンサルティングはより難しくなると言えます。

弘前市の人は、地元企業に対するコンサルティングで圧倒的に有利な立場に立てます。ところが、全国区を対象とすると何ら優位性はなくなります。訪問先への移動を考えると東京や大阪の人よりも不利になります。

このように住んでいる地域の違いによって有利なやり方、あるいは、不利なやり方があるのです。

ただし、先に述べた通り、今後はコロナの影響もありオンラインによる対応が当たり前になってくると、今までのシナリオが大きく崩れていくはずです。地理的な制約がなくなるということです。「近接」よりも「関連性」が重視されるようになるのです。

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