こちらのページでは、教材『あなたの事業を丸裸にすれば 次なる打ち手が見えてくる』の試し読みができます。「第3章」のイントロダクションと「ポイント1」の全文をそのままお伝えしています。
なお、『第3章:「自社の強み」を活かすために必ずやるべきこと』は、計4つのポイントから構成されています。
「ここ(会社・団体)はダメだな!」と言いたくなる法人に共通して見られる特徴があります。それは「事業の基本的な事柄が明確化(定義付け)されていない」ということ。典型的なのは「○○で社会に貢献する!」などとおぼろげな目的はあるものの、ある仕事をなんとなくしているケースです。繰り返しますが、「おぼろげな目的」はあるのです。しかし、「その仕事を通じて何を達成したいのか?」「なぜ、やっているのか?」などの点を突き詰めていくと、目標がはっきりしていないことが判明します。その理由は惰性的に「何となく前からやっている」という感じで仕事をしているからです。別の言い方をすると、戦略がないままマンネリ化した仕事を繰り返しているのです。
あるいは、単に目先のチャンスを追い求めているからです。「これからは○○が儲かるのではないか?」と、ゴールドラッシュのごとく、新しく金が発見された土地へ向かおうとする採掘者たちと同じような発想をしているからです。
このような実態を踏まえ、この章では「『自社の強み』を活かすために必ずやるべきこと」と題して、戦略策定に入る前に「これだけはやっておきたい」という事柄を解説します。
このセクションのタイトルは「まずはとにかくこれをやれ!」ですが、それは「事業の明確化」です。「明確化」が重要なのです。
もしかしたらこのセクションの内容は、人によっては興味を感じないかもしれません。「そんなことは当たり前だろう!」と思う人がいるはずです。そういう人は本当に理解しているというよりも、単に専門用語を知っているだけかもしれません。だから、「そんなことは知っている!」というつもりでもよく考えながら読み続けてください。あるいは、逆にこのセクションの内容が斬新に聞こえる人がいるはずです。いずれにせよあなたの会社が今何をしているか、あるいは、今後何をしようとしているかを改めて確認し、「明確化する」ことが肝心です。世の中にはこれをしないまま仕事をしている人がとても多いのです。
これから説明していきますが、事業を展開する上で経営者であるにもかかわらず、わかっているようであまり認識していない重要なことが多々あります。あるいは、それらがぼんやりと見えているものの、実際には何も明確になっていないことが非常に多いのです。それが「事業の明確化」です。
事業は日々の意思決定によって行われます。最終的には経営者や事業責任者の意思によって物事が選択されますが、社内で起こるさまざまな他の細かなことは1人1人の社員によって判断されます。事業が「明確化」されていれば、一貫性があるので何事においても意思決定をスムーズに行うことが可能です。社員との間でアプローチの違いがあっても「つまらぬ認識の違い」などが生じる機会は少なくなるはずです。また、「明確化」により「基準」があるのであなたの会社の状況はもちろんのこと、外部委託業者などの状況も見えやすくなります。お互いに状況の把握ができるようになります。「明確化」によってお互いが見え、あなたにもそれらが「見えるようになる」のです。
このように「なぜ?」「何のため?」という質問に答え続けることをおすすめします。「カイゼン」で重要なのは「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と繰り返すことです。なぜなら、それによって真の動機にたどり着くことができるようになるからです。
あなたの会社の大きな目的や達成しようとしていることをはっきりさせないまま仕事をしていたのでは、間違った方向に歩んでいくことになります。成り行きに任せたままビジョン達成に向かって進んでいるなどということはあり得ません。だから、まずは「当社の事業はどこへ進んでいくのか?」ということをはっきりさせるのです。
そのためには、大きな目的を念頭に置き、そこから逆算していくことです。しかし、目的を意識するといっても、それは目標という意味ではありません。売上○○億円などという金銭的なことでもありません。「何のために?」という目的を意識するということです。
目的はご自身にしかわかりません。自分にとっての目的を考えてください。その答えがあらゆる段階において他の全てを決める時の道しるべとなります。人事・製品開発・システムづくりなど、全ては目的から始めます。
「至上目標は何か?」 「あなたの会社は何をしようとしているのか?」「何を達成しようとしているのか?」…事業を運営しているにもかかわらず、総体的な基準や目指す目標も設定せずにただ「惰性」や「成り行き」でやっているだけの人が意外にも多いのです。
第3章の「ポイント1」はいかがでしたか?
この章の「ポイント2」以降の内容につきましては、教材を購入された上、ご確認ください。