こんにちは。

戦略プロセス経営実践会の関口です。

今回のタイトルは、『MLMが進化した、SNS時代の「会員制ビジネス」から学ぶ』の2回目となります。

前回の続きです。MLMが進化した、SNS時代の「会員制ビジネスから学ぶ(1)』をまだ読まれていない場合は、先にそちらを読んでおいてください。その方が理解が早いからです。

私が調べた限り、今、ビジネスを上手く展開している(商売の上手い)人の多くが会員制ビジネスの仕組みを大なり小なり巧みに活用しています。

NPOを立ち上げても数年後に解散してしまうような法人の運営者は、旧来のやり方をしているのです。真面目なのです。残念ながら、SNS時代の会員制ビジネスの仕組みを上手く活用していないのです。

というか、知らないのでしょう。だから何も気づかないのでしょう。

一方、やたら商売が上手い団体の運営者については、NPOなどの法人格の利点を上手く活用しながら巧みに会員制ビジネスを展開しているようです。

ところで、前回の記事の中では次のように書きました。

なぜなら、表向きは交流会やセミナー(勉強会)となっているからです。先に書いた通り、会員が増えれば増えるほどメニュー(イベント)を豊富に揃えることが可能になります。会員に提供可能なサービスの選択肢を増やせるようになるということです。

↑この内容を覚えていますか?

覚えていない場合は、この記事を一旦閉じて、前回の「集客の知恵」を読み返してみてください。

交流会やセミナーというイベントの開催については、会員制ビジネスの主催者・運営者にとって何かと都合が良いことなのです。集客上、非常に都合が良いのです。

その理由をちょっと解説します。

例えば、コンサルタントなどがクライアントとなりうる企業を獲得しようとする際、最初はセミナーへ誘導するケースが多いかと思います。

そしてセミナーを開催するのですが、その開催当日か1~2週間以内に、あらかじめ用意した「○○講座」などに申し込む、あるいは、次なるアクションに向けて動き出す、ということをしてもらわない限り、多くのケースにおいて「次」はありません。

これは「見込み客」との関係性が薄くなっていくことを意味します。

また、1回のセミナーで勝負が決まるということを示唆しています。「1回目のセミナーで決まってしまう!」ということ。1回目のセミナーの後に参加者から申し込みがなければ、以降、その人からの申し込みはあまり期待できない、ということです。

その理由は、別のメニュー(サービス)がないからです。1つしか案内するサービスがないと、1つしか案内できないのです。

少し大きなコンサルティング会社などは、異なるセミナー・異なる講師・異なるテーマを用意し、次から次へと「新しい何か」を案内することができます。営業担当者が「新しいネタ」を抵提供することもできます。しかし、個人コンサルでメニューの数が限られていると、1~2つ(1~2タイトル)のセミナーに頼りがちになることが多いのです。

 

ここまでの内容は、理解できますか?

ここから重要なポイントをお伝えします。実は、会員制ビジネスの仕組みを上手く活用すれば、「1回ぽっきりのセミナーが勝負!」などという心配は無くなるのです。1回どころか、3回、5回、10回以上も集客するチャンスを作り出すことができるようになります。

このような取り組みにおいては、見込み客にどこかの時点(3回目? 5回目?)で振り向いてくれれば良いのです。しかも、セミナーの開催については、何も主催側の人物が登壇しなくても良いのです。これは会員制ビジネスの運営者が直接、登壇しなくても良いということ。

セミナーの登壇者は会員の誰かに担ってもらえば良いのです。会員の誰かにセミナーの講演者として他の会員たちの前で宣伝する「場」を提供してあげれば良いのです。

もっと正確に表現すると、講師の依頼をした会員に対して「多数の人の前で宣伝できる絶好の場だよ!」と案内してあげれば良いだけです。

そこで、会員の中から「この人は!」という人を選んで、「宣伝できる場を与えてあげるから!」などと案内することができるはずです。そうやって声を掛ければ、講演者は会員の中から直ぐに見つかります。しかも「謝金」の支払いは不要です。だって「売り込みの場」を提供してあげるのですから。

別の言い方をすれば、タダでセミナー開催(講師への依頼)ができるということ。でも本当の狙い(会員制ビジネスを運営する人の狙い)は新規会員の獲得です。講師のお願いをした会員にセミナーで話してもらうことになりますが、そこに集まってくる人に「会員制ビジネス」の案内・入会を促すことが本当の狙いなのです。

先に「1回ぽっきりのセミナーで決まってしまう!」ということを述べましたが、1つのテーマしか用意されていない場合は「1回でオシマイ」「(こちらが)提示したものに対して(相手が)気にいらなければオシマイ」という問題に直面します。

ところが、ある特定分野において異なるテーマ、異なる登壇者を用意すれば、飽きられることはないでしょう。その分野に興味を持っている人(客)は、2回でも3回でも5回でもイベントに足を運んでくれるかもしれません。

そうやって、相手を急かすことなく、時期を見計らいながらさりげなく勧誘するようにすれば良いのです。焦って売り込む必要がなくなるのです。

「No.4:高額塾のセミナー、受注獲得の手口は?」でお伝えした内容を覚えていますか? 高額塾では、会場に集まった参加者の気持ちを熱くさせ、その気になり始めたところで、冷静になって考えさせたり、ヨソの講座と比較させることなく、あっという間に申し込ませてしまうという手口でした。

それとは大きく異なる点にお気づきですか?

とにかく、会員制ビジネスを運営する人はこのようなイベントを次から次へと開催するのです。もちろん、そのイベントには既存会員に来てもらうだけではなく、彼らに仲間を連れてきてもらうよう働きかけるはずです。その方が盛り上がるからです。

そして、連れて来られた一部の人は、新規会員になることでしょう。そして、その誘われた人が今度は別の新しい仲間を連れてきてくれるようになります。

こういう点においては、まさにMLMや宗教の手法と同じなのです。

 

しかも、さらにスゴイ点があるのです。

MLMや宗教に対しては毛嫌いする人が少なくありませんが、会員制ビジネスのイベントにおいてはそういう余計な心配が不要です。警戒されることは少ないので、人に足を運んでもらいやすいのです。

そうやって会員が連れてきた仲間が新規会員となり、次にその人が新たな仲間を連れてきて…と雪だるま式に会員が増えていく仕組みができるのです。

売り込みを殆ど行うことなく、イベント開催という人と人を繋ぐ場を繰り返し用意することで、人(新規会員=新規顧客)が増えていく流れができるのです。そこがポイントです。売り込み営業を行うことなく、イベントを開催することが「人の流れ」をつくることになります。

そして人数が増えれば、会費(例:正会員、賛助会員など)による売上増だけではなく、次から次へと新たなイベントを仕掛けることが可能になります。顧客育成が容易になるので、通常の3倍、5倍もの高い金額で「○○講座」を企画することも可能になります。「○○へ行こうツアー」などとネーミングしたサービスを提供することもできます。

人が集まり、小さな市場が形成されることになるので、さまざまな企画が可能となり、あらゆる活動を通じて課金できるチャンスが増えることになります。

集まった人同士を繋ぐことで収益を得るブローカーのようなビジネスの展開も可能になります。会員にタダで働いてもらいながらあらゆる方法でマネタイズが可能になるのです。Aを売ったらBを、BからCへ、CからDへと…まさに集客活動が加速化するとは、こういうことです。

あまりごちゃごちゃ書くとわかりにくくなってしまうと思いますが、上手く仕組みをつくり上げた会員制ビジネスでは、既存会員を上手に利用しながら新規顧客を集客することができるということ。こういう点において、見習うべき手法かと考えています。

ところで「既存会員を利用しながら…」と書きましたが、当の本人は利用されていることに気付かないケースが多いのです。先に書いた講演の例も同じです。講演者(発表者)は「宣伝させてもらった」と感じるだけで、主催側の本当の狙いについては知らされる(気づく)ことがないでしょう。

確かに、宣伝になる(受注になる)ケースもあります。しかし、実際のところ似たような商売をしている人たちが集まるケースが多く、難しいこともあります。とはいうものの、どういうメンバーが集まっているかをよく理解すれば、会員になるメリットもあることは確かです。

もちろん、その前にご自身の事業全体をよく見直して、「必要なこと」「不必要なこと」の区別が必要です

よろしいでしょうか?

今回の内容を整理すると、人と人の繋がりを利用しながら、他人にチャンスを与えて、動いてもらいながらイベントを運営し、売上を上げていくということです。

一人で何でもやるというよりも、他人を上手に引き込むことがポイントなのです。

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