戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
こんにちは。
戦略プロセス経営実践会の関口です。
今回のタイトルは、『MLMが進化した、SNS時代の「会員制ビジネス」から学ぶ』の1回目となります。
早速、本題に入りましょう。
会員制ビジネスを展開している事業者をチェックすればわかるのですが、「ウチは会員制ビジネスを展開しています!」などと、わざわざ本当のことを告げてくる経営者は少ないはずです。
だから意識していないと簡単に見過ごしてしまうはずです。「見過ごしてしまう」というよりも、意識していない限り、気づかないのです。気づかなければ何もわからないのです。「区別する力」がないということになります。
会員制ビジネスのノウハウを駆使していても、表向きは「別の看板」が使われていることが多々あります。
実は先に(No.4で)お知らせした今流行りの「高額塾」は典型的な会員制ビジネスとなります。
また、表向きはNPOや一般社団法人を名乗っていても、「実態は会員制ビジネスで儲けている!」という団体が意外と多くあります。NPOや一般社団という法人形態が隠れ蓑に使われていることがあるのです。
従来の(真面目な)NPOや一般財団法人のスタイルとは異なるビジネスを展開している法人が増えているのです。
さらに、NPOや一般社団などの法人格を持っているケースだけではなく、○○研究会、○○協議会などの名称で活動していることもあります。会員制ビジネスのノウハウを上手に活用している人・団体・企業があるのです。
ところで、このようなNPOは、これまでの運営スタイルとは、どのように異なるのでしょうか?
それは、数十年前から日本でも流行っていたMLM(マルチレベルマーケティング)のビジネスモデルを進化させている、と私は考えています。またSNSを駆使した方法を採り入れている点も大きな特徴です。会員制ビジネスもデジタル化が進んでいるのです。
今後は、ますますデジタル化が進んでいくはずです。
そこで、このページでは、集客が上手い「会員制ビジネス」の運営者がどのような知恵を巧みに使っているのかについて解説します。
まず、会員制ビジネスでは、運営者が「あるテーマ」を掲げて、会員同士の交流を積極的に推進しているケースが多いのです。上手な運営者は、交流の機会を次から次へと企画するはずです。形を変えながら…。
その理由は大きく2つあります。
1つは、一旦会員としてグループに入り、そこで何人かと友達関係を築くと、そこから抜け出すことが心理的に難しくなってしまうからです。だから運営側にとって、顧客の囲い込みという面において非常に都合が良いのです。それが1つです。
もう1つは、会員に(運営側から)モノやサービスを提供するだけではなく、会員と会員を何かしらの形で結びつけるマッチングのスタイルで儲けるビジネスの展開を考えているからです。
要するに、運営方法が巧みな会員制ビジネスは、典型的な高額塾と同じように「1(自分)対N(多数)」の関係を構築するビジネスであるとも言えます。しかも、N(多数)の数が大きくなればなるほど、運営側には都合が良いのです。
Nの数が大きくなればなるほど都合が良いというのは、例えば講座型ビジネスを考えてみればわかると思います。参加者(視聴者)が10人から100人に増えても手間は殆ど変わらないにも関わらず売上は10倍になります。
ところで、私は「1対1」でガチのディスカッションを行う支援サービス(コンサルティング)も提供しています。これは、皆に同じやり方を伝える一辺倒のサービスとは一線を画し、「あなた(経営者個人)だけ」の戦略づくりの支援となります。
しかし、あなたと同じように私にも1日24時間しかありません。寝る時間も必要です。運動する時間も。以前は講演の依頼だけでも年に30回ほどありました。「時間」という制約があるのです。
だから、オンラインを利用しても、私には1日に最大でも3~4組しか対応することができません。それが限界です。でも、経営者と真剣に「1対1」でディスカッションするスタイルが私には合っているのです。それが好きなのです。
ところが、会員制ビジネスについては、400人、1,000人くらいの規模でも運営が可能です。「人」と書きましたが「企業」でも良いのです。多くなれば、なるほど実にさまざまな企画が可能になります。ネットワーク化させることで、運営者にはさまざまなビジネスチャンスが転がり込んでくるのです。
だから、先のメールにも書いた通りですが、運営側は積極的に会員同士の交流をさまざまな方法で進めてくるはずです。その典型例は、交流会・飲み会などの開催です。Facebookなどでグループをつくる方法もあります。マッチングを推進するためにシェアオフィスを提供する法人まであります。
それらは結局のところ、出会いの「場」を提供しているのです。人と人が結びつく「場」を提供するのです。そのような「場」を提供することは、既存会員に仲間を連れてきてもらう機会を設けるという点においても、とても都合が良いのです。
表向きは、セミナーや交流会・懇親会でも、実際には新規会員獲得の絶好の場と化していることが多々あるのです。
「バスケットボールをやらないか?」などと人を誘ってくる宗教団体の信者獲得の方法と同じですね? 「勉強会」「事例発表会」などと称して誘うMLMとも同じですね。
新しく参加した(連れて来られた)人が、そこに馴染み、新たな人間関係を作り出すと、先に書いた通り、その人はそこから抜け出すことが難しくなってしまうのです。
ところで、数十年前から「お友だち紹介」という制度については、多くの商売に導入されてきました。ショップ、スポーツクラブ、習い事教室など多様な業種で導入されてきた制度です。
その制度には問題点もあるのです。多くの場合、「誘う側の人」も「誘われる人」も、共に身構えてしまいます。なぜなら、買う(入会する)には、カネを払わなければならないからです。出費が伴うのです。
だから、誘われると「えっ、嫌だな!」という感情になる人は少なくないはずです。「でも、断るのは悪いし…」などと少し悩んだ末に、「行く(入る)」「行かない(入らない)」を無意識ながらも多くの人は判断しているはずです。
ところが、会員制ビジネスが提供する「場」については、とても誘いやすいのです。しかも誘われる人に警戒されずに済みます。
なぜなら、表向きは交流会やセミナー(勉強会)となっているからです。先に書いた通り、会員が増えれば増えるほどメニュー(イベント)を豊富に揃えることが可能になります。会員に提供可能なサービスの選択肢を増やせるようになるということです。会員に他の会員に宣伝する場を耐えることもできます。
ここまでの話については、理解できますか?
ちょっと、長くなりそうなので、続きは次回、お知らせします。
なお、今回のテーマに限らず、次回以降の「会員制ビジネス」の運用には、適性や向き不向きをよく検討しましょう。例えば、お人好しの方は運営者としては向いていないかもしれません。同様に、これらのプラットフォームを上手に利用しようとして参加・入会したものの、逆に無理な要求をされてしまう(利用されてしまう)場合もあります。
こうした理由から、「自分に適しているかどうか」を十分に検討することが重要です。
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