【関口のつぶやき、感じたこと039】 

2020年 1月 10日(金)

  • パーパス(purpose)
  • ビジョン(vision)
  • ミッション(mission)

こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。

新年おめでとうございます。

本日のテーマは前回に引き続き書籍「BCGが読む経営の論点2020」から学んだ内容をお伝えします。タイトルは「パーパス:ミッション、ビジョンを越えた企業の存在意義」です。

ちなみに、BCGとはBoston Consulting Group(ボストン コンサルティング グループ)のことです。

この本に書かれていた内容を一言で表すと「パーパス」の概念がビジネス環境の変化にともない重要になってきたということ。

ところで、パーパス(purpose)は目的という意味です。しかし、ここでは「(事業の)目的」という理解ではあまりにも不十分です。

本にも説明がありますが、「ビジョン」や「ミッション」と対比した方が理解しやすいかと思います。まず「ビジョン」は企業が理想とし目指す状態である「where」を定義します。また「ミッション」は目指す状態に向けて何を行うべきかの方向性である「what」を定義します。

そして「パーパス」は「なぜ社会に存在するのか」という意義を問う「why」を結晶化したものとのこと。「Whyを結晶化したもの」と言われても「?」となってしまうのですが、パーパスは次の2つの質問が重なり合う領域で定義されるということです。

1つは「自らが本質的かつ独自に提供可能な強みは何か?」。つまり「我々は何者か?」ということ。もう1つは「世界が求めているニーズは何か?」となります。

パーバス、ビジョン、ミッションの3つの関係性でいえば、パーパスの発揮に向けて、ビジョンとして目指す状態を定義し、その実現に向けた道筋としてミッションを明確化する流れとなります。つまり、これら3つの中でパーパスは最も上位の基点となる概念なのです。

では、企業にとって重要性を増しているパーパスは、どのように具体化し、活用すれば良いのでしょうか? これについて、本には一例として4ステップからなるアプローチが紹介されていました。それは「発見→明確化→活性化→埋め込み」の4ステップです。ちなみに、3番目の「活性化」とは定義されたパーバスを組織全体に対して発信し浸透させるステップです。最後の「埋め込み」はパーパスを価値創出につなげるステップとのこと。

ただし、この4ステップを理解したところで、「そもそもパーパスをどこで、何のために、どのように使うのだろうか?」と私は疑問に思いました。

そこで見つけました。パーパスの表現方法は、一般的にはミッション・ステートメントのように「パーバス・ステートメント」と呼ばれる短い文が起点となるとのこと。そのうえで、パーパス・ステートメントの背景をストーリーで語ることが一般的な使い方だそうです。

また、パーパスは、単体で設定し完結する標語ではなく、ビジョン、ミッション、さらには戦略立案や組織力強化につなげていく変革の基点であるとのこと。

なお、戦略との連関がきわめて重要であると書かれていました。中長期の経営計画立案に先んじてパーパスを明確化したうえで、社会課題と連動した形で注力すべきマーケットを定義し、自社固有の強みやアスピレーションを反映した事業領域を絞り込むという進め方が理想的だそうです。

以上、パーパスについて説明しました。BCGの手法をそのまま中小企業に使おうとするよりも、むしろ使えるところを上手に拝借するのが良いと思います。

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