【経営・戦略011】 

2019年 2月 15日(金)

「コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法」という書籍を読みました。そこで本の中から私が「中小企業の経営者に役立つ!」と判断した内容を何回かに分けてお伝えしていきます。

本日は問題解決について説明します。

この本の著者である名和氏は、「問題解決は、いわば総合芸術のようなものだ」と述べています。アカデミックに解くというより、実践で解くものという考えをお持ちです。だから学者畑一筋の方にはそれが難しい、とも述べています。

マーケティングなり、ファイナンスなり、何らかの切り口からなら、その分野の専門家がそれなりに方法論を持っていますが、「実際の問題にマーケティングやファイナンスというラベルが貼られているわけではない」と書かれている通り、問題解決は学際的な領域なのです。

問題解決はたいてい次の順に行われます。

  1. 問題を定義する
  2. 問題を構造化する
  3. 優先度をつける
  4. 分析方法を設定する
  5. 分析を実施する
  6. 発見内容を統合する
  7. 問題解決法を提言する

問題解決のステップの中でも最も重要なのが「問題を定義する」と「問題を構造化する」という最初の2つのステップです。何が本質的な問題なのかをきっちりと見極める「課題設定」が上手くいくと、問題解決全体の50%はできたことになります。逆に、最初の課題設定が悪いと、その後、何をやってもピンボケで、問題の本質には迫れないのです。

とにかく、現象としての問題の構造を知ることで、どこから始めたらいいかがわかります。列挙した「現象」について、因果関係のあるものをループで結んでいき、本当に根っこになっているのはどこかを探っていくのです。その根っこの部分を、コンサル用語でチョーク(choke)ポイントというそうです。Chokeとは「首を絞める」という意味です。

重要なことは、「何がイッシューか?」という問題の本質について仮説を立ててみることです。全ての要素の中から問題を見つけるのではなく、はじめからこういうことじゃないかという仮説を持って見にいくものなのです。そして「why(なぜ?)」を繰り返し、問題の本質に迫るのです。

課題の立て方としてよくある間違いについても書かれていました。それは「こうすべきだ」という結論を出してしまうこと。でも、すべきなのは百も承知なのに、そうなっていないことが問題なのです。「なぜできないのか?」を考えることが問題解決のキモ中のキモとのことです。

「何が(what)問題なのか?」「なぜ(why)それが問題なのか?」「なぜまだそれができていないのか?(why not yet?)」「それができるようになるためには、どう(how)すればいいか?」という四段論法で問題解決していきますが、3番目の「なぜまだそれができていないのか?(why not yet?)」。これこそが問題の本質なのです。

ところで、企業は問題を解くだけでは元気になりません。重要なのは問題を成長機会に変えることです。それは問題だと思っていたものを新しい成長のきっかけに変えてしまうことです。

逆に、「問題がない」という会社には改善の余地がないということ。課題がないということは、あとは下り坂しかないということになります。

私は先日、セミナーの講師を務めた際に、グループワークを行ったのですが、参加者の一人から「ウチには課題がありませんが…」と言われましたが、それでは何も前進することがありません。課題意識を持つことが重要なのです。

また問題箇所に集中するのではなく、ソリューションペースを広げる。問題を機会に変えることで異次元の可能性につなげていくように努めるのです。

書籍「コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法」の紹介についてはまだ続きます! 次回のコラムは、こちらから!

問題解決力のテーマについてはいかがでしたでしょうか?

重要なことは、問題の根っこになっているのはどこかを探っていくことなのです

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