【ビジネス書001】 

2016年9月6日(火)

100円のコーラを1000円で売る方法」というタイトルなので、安いモノを高く値付けて売るコツについて書かれている本かと思いきや、そのような類の話はなく、しかもコーラの話は数あるセクションの中の1つに過ぎませんでした。コーラではなく、話のメインは会計ソフトの販売でした。

コーラに関しては、100円で買えるモノであっても、立派なホテルのルームサービスとして提供すれば1000円の値付けができる。そこで「100円のコーラを1000円で・・・」というタイトルにしたと思われます。

コーラそのものは何も変わらないのですが、場所、雰囲気、提供の仕方など、その他の付加価値を提供することにより高い値付けが可能であるということです。

 

この本では、勝気な女子社員が「会計ソフトを販売する!」という設定で苦労話が紹介されています。ポイントは、「顧客の言いなりでは売れない。顧客が言ったことを鵜のみにしない。それは的外れな要望や思い込みもあるから」ということです。

同様に、顧客中心主義とは「顧客が言うことは何でも引き受ける」ということではなく、「顧客の課題に対して自社ならではの価値を徹底的に考え提供する」ということです。

 

つまり、Customer Myopiaになってはいけないということです。目の前の顧客が言っていることだけを鵜のみにして、それにすべて対応しようとしたら、本当に顧客が必要としていることに対応できません。そうなると、長期的に見ると顧客が離れていってしまうのです。

「顧客が言ったこと」をそのまま真に受けるのではなく、「会計ソフトで本当にやりたいこと、本当に解決したいことは何か?」を見極めなければならないのです。

経営者が本当にやりたいことは、会計システムで集まった情報を活用して、会社の財務状況を改善し、経営改革をすること。会計と経営の“見える化”だったわけです。勝気な女性がそれに気付くまでのストーリーが描かれているのです。

顧客が口にしたことをそのまま鵜のみにするだけではダメなのです。次のビジネス書・「マーケット感覚を身に付けよう」はこちらから!

また、この本では、キシリトールガムがヒットした理由が紹介されています。従来のガムでは、“味”や“香り”で勝負するのが定番だったようです。

「ガム=歯に良くない!」というイメージがあったのです。それを、“虫歯予防”という新しい要素を加えて新市場を開き、しかも「虫歯にならないために歯医者に行く」というコンセプトをつくり、歯科医の賛同を得たのです。

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